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花菖蒲栽培暦

現在栽培されている花菖蒲は、日本の山野に自生するノハナショウブから何百年もかけて改良されました。実際、ノハナショウブと品種改良された現代の品種を並べて見ても、とても同じ植物には見えない程立派で豪華になっています。ただ、花菖蒲自体が持っている気品というか清楚さというか、日本の美みないなもの(!?)は、どちらにも感じられるように思います。日本に根付いた伝統園芸植物、花菖蒲に目を向け、月々の栽培暦を通して紹介したいと思います。まずは花菖蒲の紹介を!




花菖蒲の生い立ち
基本になるのは、日本から朝鮮半島、シベリア東部に自生するノハナショウブです。基本の色は赤紫ですが各地で変異株がみられるようで、これらが長い年月をかけて品種改良され、現在見られるような花菖蒲になりました。

花菖蒲の原種
山野でよく見られるタイプのノハナショウブ。細弁で赤紫の花色が特徴。 山野で発見されたピンク色の原種”北野天使”




花菖蒲の系統
花菖蒲にはいくつかの系統があり、それぞれに特徴があります。

江戸系花菖蒲
江戸時代から発達してきている品種群です。花形の中心は地植えで鑑賞しやすいように背が高く平咲きで、群れて咲くと映える中輪の品種が多いですが、他の系統に比べると形にとらわれず様々な花容を持っているのが特徴です。
翠映 万里の響
肥後系花菖蒲
江戸系を基に改良された品種群で、室内での鑑賞を目的として、豪華で花色のはっきりとしたものが作られました。草丈は鉢や葉とのバランスの関係で低めのものが中心です。
右近の桜 靄間空
伊勢系花菖蒲
伊勢地方の伝統植物である伊勢撫子や伊勢菊に見られるように、伊勢花菖蒲も花弁がおおらかに垂れるのが特徴です。花色は肥後系とは逆に柔らかなものが多く、女性的なイメージがあります。
神路の誉 宝玉
外国系花菖蒲
日本から輸出された花菖蒲を基に改良された品種群で、花容は様々ですが豪華なものが多いようです。
ステップルドリップルス ピンクフロスト
雑種系花菖蒲
キショウブや、カキツバタ等との交配種です。キショウブは黄色の花色を取り入れるために用いられました。
金鶏 緑葉黄金
長井古種
山形県長井市で栽培保存されていた品種群で、ノハナショウブの面影を強く残しています。
長井小紫 長井夕霧
現代の品種
それぞれの系統どうしで交配が行われ、良いところを合わせた今までに無い新しい品種が数多く生まれています。濃紫に白の糸覆輪の花、濃ピンクの大輪花、鮮青の花等は、最近見られるようになった品種群です。
白い虹 紅桜
菖蒲園で見かけた青花の交配種。赤味が乗らない鮮青です。 こちらも同じく青花の交配種。




花菖蒲が好む環境
日当たり
日当たりの良い所を好みます。ただ、暑いのは苦手なようで、涼しい地方ほど上手く育つようです。暖地でも、株分けを本格的な暑さが来る前に済ましたりと、ちょっとしたポイントをしっかりと行えば大丈夫です。
水加減
花菖蒲園で水を湛えている場面が良くありますが、あれは景観を良くするためにしているだけで、実際は花時期以外は畑状態で育てています。多湿には強く、春から夏の間は腰水で育てるとのびのびと育ちますが、一年中水に浸かっていると根腐れをおこしますので注意です。
土質
乾燥を嫌うので、水持ちの良い用土を好みます。砂質の土よりは粘質土の方が生育が良いです。アルカリ土壌よりも弱酸性土壌を好むため、用土に石灰を混ぜるのは厳禁です。
忌地現象
同じ場所で何年か育てると、連作障害が出ます。地植え栽培のものは2〜3年はよく育ちますが、それ以後は段々と生育が悪くなり株が小さくなって枯れてしまいます。鉢植えは少ない土で育てているため、必ず毎年新しい土に植え替えが必要です。自生地のノハナショウブもタネで世代交代をしながら少しずつ移動して連作障害を避けています。


各月ごとの作業

月別に作業を紹介しました。作業は岐阜県の美濃地方(平坦地無雪地帯)を基準にしています。

花菖蒲栽培暦 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月







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